Codex Automationsでブログ運用を自動化する前に決めること:7:00調査と12:00下書きの設計
WordPressブログを毎日動かしたい。できれば、朝に調査して、昼には記事の下書きまでできている状態にしたい。そんな運用を考えるとき、Codex Automationsはかなり魅力的な選択肢になります。
ただし、いきなり「毎日自動で記事を公開する」ところまで進めるのは危険です。AIが便利なのは確かですが、ブログ記事には情報の正確さ、著作権、医療や税金などの慎重な表現、サイト全体の方向性、読者への責任が関わります。特に個人ブログでは、効率化したい気持ちと、信頼を落としたくない気持ちの両方があります。
半農エンジニアラボでは、まず「公開まで自動化」ではなく、「下書きまで自動化」を基本にしています。毎日7:00に調査と記事案作成、12:00に本文作成とWordPress下書き保存。投稿ステータスは必ずdraft。X投稿は文案まで。公開とX投稿は人間確認後。このくらい線を引いておくと、AIの力を使いながら、事故を起こしにくい運用にできます。
この記事では、Codex Automationsを使ってブログ運用を自動化する前に、何を決めておくべきかを整理します。単なるツール紹介ではなく、実際に半農エンジニアラボで試した運用ルール、WordPress REST APIの下書き保存、コストを抑える考え方、そしてSE・PT・農の視点をどう組み込むかまでまとめます。
結論:自動化する前に「止めるルール」を決める
Codex Automationsを使う前に、まず決めるべきなのは「何を自動化するか」だけではありません。むしろ大事なのは、「どこで止めるか」です。
半農エンジニアラボでは、以下を絶対ルールにしています。
- WordPressへの保存は下書きまで
- 投稿ステータスは必ずdraft
- 公開しない
- 予約投稿しない
- X投稿しない
- X投稿文案は作ってよいが、投稿は人間確認後
- APIキーやパスワードはファイルに直書きしない
- 医療・健康・農薬・税金・法律に関する内容は慎重に扱う
このルールがあると、Codexに任せる作業がかなり明確になります。調査、記事案作成、本文初稿、WordPress下書き保存、X投稿文案の作成は任せる。公開判断、最終リライト、実体験の追記、医療や法律に関わる表現の確認は人間が見る。こう分けることで、自動化を「便利だけど怖いもの」から「日々の下ごしらえをしてくれる仕組み」にできます。
Codex Automationsでできること
OpenAIのCodex Automationsは、Codexに定期タスクを実行させるための機能です。公式ドキュメントでは、バックグラウンドで繰り返しタスクを実行し、結果をTriage、つまり確認用の受け皿に出せる仕組みとして説明されています。また、プロジェクトに紐づいた自動化では、ローカルのCodexアプリが起動していて、対象プロジェクトがディスク上に存在している必要がある、とされています。
つまり、毎朝7:00に「このリポジトリの前提資料を読んで、今日の記事案を3つ作って」という依頼を定期実行することができます。さらに、12:00に「朝の調査メモを読み、優先記事を本文化してWordPressにdraft保存して」という流れも組めます。
ただし、公式ドキュメントでも、スケジュール化する前に通常のスレッドでプロンプトを手動テストすることが推奨されています。これはかなり重要です。いきなり毎日実行するのではなく、まず普通の会話で1回流してみる。成果物が期待通りか、余計なファイルを作らないか、WordPressにpublishで送らないか、レビューしやすい差分になっているかを見る。これは自動化前の安全確認として欠かせません。
7:00と12:00に分ける理由
半農エンジニアラボでは、1日のブログ運用を7:00と12:00に分けています。
7:00は調査と記事案作成の時間です。この時間には、いきなり本文を書きません。Web調査を行い、記事案を3つ出し、それぞれについてタイトル、狙う検索キーワード、読者の悩み、構成案、参考URL、収益化導線、独自体験を入れられるポイント、注意点を整理します。
12:00は執筆と下書き保存の時間です。朝に作った記事案を見直し、優先度の高い1本を選び、必要な追加調査をしてから本文を書きます。その後、WordPressにdraftとして下書き保存し、X投稿文案を3パターン作ります。
この分割には、3つの意味があります。
1つ目は、品質を上げるためです。朝の勢いだけでテーマを決めて本文まで作ると、ブログの軸から外れた記事や、検索需要だけを追った薄い記事になりやすい。いったん記事案で止めることで、「これは本当に半農エンジニアラボに合うか」を見直せます。
2つ目は、Codexの使用量を抑えるためです。7:00に本文まで作らず、記事案だけにすれば、毎回の負荷が軽くなります。12:00では朝の調査メモを再利用するので、ゼロから考え直す必要がありません。
3つ目は、人間の生活リズムに合わせるためです。半農エンジニアラボは、SE、理学療法士、農をつなぐブログです。朝に調査だけ走らせておき、昼に下書きができる。人間はその間に仕事や畑や生活を進められる。AIのために生活を詰め込むのではなく、生活を守るためにAIを使う。この考え方が大事です。
7:00タスクでやること
7:00タスクは、記事を作る前の「種まき」です。畑でいえば、いきなり収穫しようとするのではなく、今日まく種を選ぶ時間です。
具体的には、以下を行います。
- AGENTS.mdとdocs配下の前提資料を読む
- 過去の調査メモや公開済み記事を確認する
- Web調査を行う
- ブログテーマに合う記事案を3つ出す
- 各案の読者、検索キーワード、構成、参考URLを整理する
- 注意点とリスクを明記する
- 12:00で本文化する優先案を選ぶ
ここで大事なのは、トレンドキーワードだけを追わないことです。検索需要は大切ですが、半農エンジニアラボの軸から外れた記事を増やしても、サイト全体の信頼は育ちません。SE、PT、農のどれかに接続できるか。できれば2つ以上の視点を横断できるか。読者の悩みが明確か。実体験を足せるか。このあたりを見ます。
12:00タスクでやること
12:00タスクは、朝にまいた種を1本選んで育てる時間です。ここでは、優先記事案をもとに5000字以上の本文を作ります。
ただし、文字数だけを目標にしません。5000字を超えていても、中身が薄ければ意味がありません。読者の悩みから入り、結論を早めに示し、背景、具体策、SE視点、PT視点、農・生活視点、注意点、実体験、まとめの流れを作る。必要なところだけ参考URLを使い、本文はオリジナルの文章として再構成する。ここが重要です。
12:00タスクでは、本文作成後にWordPressへ下書き保存します。ここで必ずstatusはdraftにします。publish、future、privateは使いません。X投稿文案も作りますが、Xへの投稿はしません。
WordPress下書き保存は分割方式にする
実際に運用してみて分かったのは、WordPress REST APIで長文記事を保存するとき、1回のPOSTにすべてを詰め込むとタイムアウトしやすいということです。
半農エンジニアラボでは、長文本文、参考リンク、抜粋、カテゴリ、タグをまとめて送ると詰まるケースがありました。一方で、保存を分割すると安定しました。
現在の標準フローは次の通りです。
- 同じslugの下書きがあるか確認する
- なければ短い本文でdraft下書きを作る
- 長文本文とカテゴリを更新する
- タグと抜粋を別リクエストで更新する
- 最後にGETでstatus、本文長、カテゴリ、タグを確認する
この流れにしておくと、タイムアウト時にも状況を確認しやすくなります。下書きが作成されたのか、本文が反映されたのか、ステータスがdraftのままか、同じslugで重複していないか。ここを確認してから次に進めます。
自動化では、成功したかどうかが曖昧なまま進むのが一番怖いです。だから、保存後のGET確認までを1セットにします。
コストを抑える考え方
毎日ブログ運用を自動化するとき、気になるのがCodexの使用量です。自動化は便利ですが、毎回フル調査、フル本文生成、フル修正をしていると、時間もコストも膨らみます。
コストを抑えるには、まず役割を分けます。7:00は調査と記事案まで。12:00は優先1本の本文化だけ。1日に3本全部を書く必要はありません。
次に、テンプレートを使います。調査メモ、記事本文、X投稿文案、実行ログの型を決めておけば、毎回ゼロから考える必要がありません。Codexも迷いにくくなり、出力のブレが減ります。
さらに、過去メモを再利用します。たとえば、今日の7:00調査で出した記事案を、明日の候補として再利用してもよい。公開済み記事の続編を作る場合も、過去の調査メモやログを読むことで、同じ調査を繰り返さずに済みます。
最後に、画像生成は必要なときだけにします。アイキャッチ画像は大事ですが、すべての記事で毎回すぐ生成する必要はありません。まず画像案を作り、人間確認後に生成する運用でも十分です。
SE視点:自動化は小さな業務システムとして考える
SE視点で見ると、ブログ自動化は小さな業務システムです。入力は前提資料、Web調査、過去ログ。処理は記事案作成、本文生成、チェック、WordPress下書き保存。出力は調査メモ、記事本文、X投稿文案、実行ログ、WordPress下書きです。
業務システムなら、例外処理が重要です。情報源が不足しているときは止める。医療や税金などの高リスクテーマで判断に迷うときは止める。WordPressの保存結果が確認できないときは止める。公開に関わる操作へ進みそうになったら止める。
この「止まる設計」があるから、自動化を安心して回せます。速く動くことより、変な方向に進まないことのほうが大事です。
PT視点:毎日続けるには負荷を分ける
理学療法士の視点で見ると、ブログ運用も身体の使い方と似ています。短期間に無理をしても、継続できなければ意味がありません。
毎日5000字の記事を人間が全部書くのは、かなり負荷が高い作業です。特にフリーランスSEとして本業がある場合、調査、執筆、WordPress投稿、SNS告知を全部抱えると、どこかで止まります。
だからこそ、7:00と12:00に分ける。調査と執筆を分ける。公開判断を分ける。自動化も身体と同じで、負荷を分散させると続きやすくなります。
また、デスクワークが長くなりすぎない運用も考えたいところです。AIが調査している間に、人間は休憩する。畑を見る。身体を動かす。AIに働かせることで、人間がさらに座り続けるのではなく、人間の生活に余白を作る。これが半農エンジニアラボらしい自動化です。
農・生活視点:ブログも畑のように育てる
畑は、一度に全部やろうとすると疲れます。草取りも水やりも収穫も、毎日少しずつ見るほうが続きます。ブログ運用も同じです。
7:00の調査は、畑でいう観察です。今日は何が伸びそうか。どこに虫がついているか。どこに手を入れるか。いきなり全部を収穫しようとせず、まず見る。
12:00の本文作成は、選んだ1本を手入れする作業です。記事案3つのうち、今いちばん育てる価値があるものを選ぶ。無理に全部を記事化しない。これも畑に近い考え方です。
公開は、さらに後の判断です。下書きができたからといって、すぐ公開する必要はありません。人間が読み、体験を足し、表現を整え、必要なら公開する。ブログを育てるには、この余白が大事です。
最初の1週間で見るべきポイント
Codex Automationsでブログ運用を始めたら、最初の1週間は「うまく動いたか」だけでなく、「続けられそうか」を見ます。
- 7:00の調査メモは読みやすいか
- 記事案3つはブログの軸に合っているか
- 12:00の本文は読者の悩みに答えているか
- WordPress下書き保存はdraftで確認できているか
- X投稿文案は煽りすぎていないか
- 人間確認の負担が重すぎないか
- Codexの使用量が想定より大きくないか
ここで大事なのは、完璧な自動化を最初から目指さないことです。最初は荒くても、毎日ログが残り、改善点が見えるなら十分です。自動化は一度作って終わりではなく、運用しながら育てるものです。
半農エンジニアラボでの実験ログ
今回の半農エンジニアラボでは、まずリポジトリにAGENTS.mdとdocs配下の前提資料を作りました。ブログの目的、カテゴリ、記事作成ルール、WordPress運用ルール、X投稿ルール、実行時刻、秘密情報の扱いを明文化しています。
その後、WordPress REST APIへの接続を確認し、カテゴリを作り、下書き保存スクリプトを作り、実際に長文記事の下書き保存を試しました。途中でREST API保存がタイムアウトする問題もありましたが、調査の結果、長文記事は分割保存するほうが安定することが分かりました。
この過程そのものが、実験ログとして記事になります。AIでブログを自動化するというと、きれいな完成形だけを見せたくなりますが、実際には認証、.htaccess、Application Password、プラグイン、REST API、保存タイムアウトなど、地味な問題が出ます。そこを記録することに価値があります。
半農エンジニアラボでは、こうした試行錯誤も隠さず書いていきます。SEとして仕組みを作り、PTとして続けられる負荷を考え、農のように毎日少しずつ育てる。この姿勢がブログ全体の軸になります。
注意点:自動化しても公開責任は人間にある
最後に、いちばん大事な注意点です。Codex Automationsで下書きが作れるようになっても、公開責任は人間にあります。
AIが作った文章には、情報の抜けや、表現の強さ、文脈のズレが残ることがあります。医療・健康、農薬、税金、法律のようなテーマでは、特に慎重な確認が必要です。公式情報を確認し、断定しすぎず、個別判断が必要な場合は専門家への相談を促す。これは自動化しても省略できません。
また、他サイトの文章をコピーしないことも重要です。複数の情報源を見て、自分の運用、自分の体験、自分の言葉に変える。AIが下書きを作るからこそ、最終的には人間が「このブログとして出してよいか」を見る必要があります。
まとめ
Codex Automationsは、ブログ運用をかなり楽にできる可能性があります。ただし、最初から公開まで自動化するのではなく、まずは下書き作成までに絞るのが現実的です。
7:00に調査と記事案作成、12:00に本文作成とWordPress下書き保存。投稿ステータスは必ずdraft。X投稿は文案まで。WordPress REST API保存は分割方式。保存後はGETで確認。迷ったら止めて相談する。
このルールを決めておけば、AIをただの文章生成ツールではなく、毎日のブログ運用を支える作業パートナーとして使いやすくなります。
半農エンジニアラボでは、仕事、からだ、畑を整えるために、AIも仕組みの一部として育てていきます。自動化はゴールではなく、生活と発信を無理なく続けるための土台です。
参考URL
- OpenAI Developers: Codex Automations – https://developers.openai.com/codex/app/automations
- OpenAI Developers: Codex App – https://developers.openai.com/codex/app
- WordPress REST API Handbook: Posts – https://developer.wordpress.org/rest-api/reference/posts/
- 厚生労働省:自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備 – https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01603.html


